空の殻

ゲームの感想とか。

【Steam】ゲームプレイ日記 #11 【アンリアルライフ】

 

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 じゃあ、感想をはじめよっか。

 ということで第11回目のゲームはアンリアルライフ。感想はまた明日、と先延ばしにしていたら、いつの間にか一週間が経過していました。思い出しながらになりますが、つらつら綴っていこうと思います。

 このゲームは記憶喪失の少女ハルが、喋る信号機195を初めとした変わったキャラクターと出会いながら、記憶の鍵となる先生を探し旅をする物語。設定とストーリー自体はそこまで斬新ではなく、核となるような謎もタイトルや話の流れから、ある程度の予想が出来てしまいました。正直なところ、名作とされるフリーゲームに似たようなものが多くありそうだなと感じました(実際は知りません)。ですが、細部まで綺麗に纏まっており、少なくともフリーゲームとは一線を画している出来だと思います。盛り上がりを殺さない適度なスピード感はかなり良かったですね。特に、ラストの勢いは胸が熱くなりました。エンディング後も蛇足にならず好印象。とはいえ、トゥルーはかなりご都合展開でしたので、この辺は好みの問題になるかもしれません。私はそこまで気にしないタイプですが、ありきたりなエンドの方をBADにするのではなく、通常エンドにしても良かったんじゃないかなと思ってみたり。ただ、元はと言えば彼女が招いたことですから、それで嫌な気分にならずに上手く仕上げるのは難しそうです。

 分岐は簡単だったのか自分が冴えていたのか分かりませんが、BADを見ることなくトゥルーにたどり着きました。予想はしていたものの、クリア後に攻略サイトを見て始めてBADがあることをちゃんと知りましたね。中学生の頃、ストックエンドを見ずに終わった、かまいたちの夜の記憶が蘇ってきました。未だに二週目で真エンドにたどり着いたと言っても誰にも信じてもらえません。あの頃はゲームに対する姿勢が間違っていたのだと思います。今も、感動の場面で把瑠都さんとサムライ8を思い出した自分が嫌になります。

 私はこれでも理系の端くれなので、突っ込みたいところもありましたが、逆に言えば、それ以外に気になるようなところはありませんでした。というか、そもそもアンリアルなので、それを言うことは無粋なのかもしれない。演出が凝っていて、ドットがとにかく美しくて、キャラクターが生きていて、インディーズでしかやれない(やらない)であろうことに挑戦したこの作品は文字通り素晴らしい”作品”であったと思います。個人的には、年1レベルで出てくる怪物と言っていいかもしれないです。こんなゲームがあることに震えましたし、プレイできたことを幸せに感じます。hako生活さんがほぼ一人で四年掛けて制作したとのことですが、むしろ四年でこれが出来るのかと畏怖にも似た感嘆を覚えました。もし可能ならば、次のゲームもプレイしたいです。

 色々テキストを見ながらゆっくりと6時間ほどでクリアしましたが、隠し実績もあるので、気が向いたらまた195とVOLTAしに戻ってくると思います。最後に、どうして195だけ生物じゃないのか(ゼロはノーカン)と疑問だったんですが、ラストで195だけ異質な存在であったことが分かり、195が生まれた意味を考えると少し切ない気持ちになりました。彼女が○○○○を欲していたこと、あのとき195がいれば○○は起こらなかった(誰も傷つかなかった)など。けれど、彼女は自分を許し、一人で強く生きていく道を選んだ。その時自分ができることをやり、今や、自分が与えてもらったものを他人に与えられるほどになった。優しさに満ちた体験でした。