空の殻

ゲームの感想とか。

【Steam】ゲームプレイ日記 #8【Necrobarista】

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 本日の感想はNecrobarista。

  3Dヴィジュアルノベルという、珍しいジャンルのゲームです。

 シナリオも正直、独特な雰囲気を纏っていました。小説でいえば、大衆小説より純文学よりで、置いてけぼり感を食らうことも少し。

 私は浅学にしてオーストラリア文学に触れたことがないので、これが特有のものかは分かりませんが、歴史に鑑みて欧米の影響は多少あったりするんですかね。シニカルなやり取りとか、小気味よい洒落の応酬とか、この辺は好みでした。卵の行は英語版が気になるところですね。日本語向けにやり取りごと変更したのか、不思議の国のアリスの河合洋一郎さん訳みたいな感じなんでしょうか。あと、ラストの贈り物も洒落が利いててよかったです。私も、真似したくなりました。

 奇抜な設定が目立ちますが、扱っているテーマは生と死という身近なもの。内容云々については語りませんが、感情移入のしやすいテーマだったと思います。ただ、キャラクターの背景が中々見えてこないので、人によっては会話劇を傍から眺めているような感覚になってしまうかもしれません。

 章の間は操作が可能で、この間サイドストーリーが見られます。このサイドストーリーが良い味を出していて、キャラクターの背景含め、魅力が詰まっています。ただし、これが結構な運ゲーで、すべて一周目で解放するのはほぼ不可能です。私は半分くらいしか解放できませんでした。そして、二周目でこれを回収するのが正直しんどかったです。

 一言で感想を言え、と言われたら、間違いなくよかったと返しますが、自分には合わなかったところもしばしばありました。

 まず、オープニング詐欺。いかにも物語に大きく関わってきそうなキャラクターが三人ほどいますが、カフェの客としてたった一度来店し、少しおしゃべりをするだけで、物語には関わってきません。オープニングではメインキャラクターと同じくらい登場し、意味深な表情を湛えているというのに、この仕打ち。なんなら、本編で見たことのない人物までいますし。

 あと、タイトルにもなっているネクロマンシー要素があまり無かったのも残念です。せっかく面白そうな設定がたくさんあるので、魔法とかもっと絡めて欲しかったと思ってしまいました。

 また、あらすじなどから、てっきり私は来店した死者の悩みや後悔を主人公たちが解決するような話だと予想していましたが、そうではありませんでした。正直に言って、私が本来求めていたものと違ったのは残念です。

 それから、死者がターミナルにいられるのは24時間とされているのに、物語の中で誰一人としてそれを守っていません。もちろん、そのルールを破る代償だとかはあるけれど、それほど深刻に描かれていません。だからこそ、扱っているテーマが少し安っぽく感じられてしまうようなこともありました。

 自分には合わない部分をつらつらと挙げてしまいましたが、それでも面白いと感じたのは事実なので、好きな人はとことん好きになれると思います。

 私も欲をいえば、もっとプレイをしていたかったです。ただ、四時間弱でクリアという短さも相まって、一本の映画を見終えたような不思議な感覚でした。

 次の感想はゴーストオブツシマになると思います。お盆休みより前にクリアできたらいいな。