空の殻

ゲームの感想とか。

【PC】ゲームプレイ日記 #22【この大空に! PULLTOP ジュブナイルパック】【見上げてごらん、夜空の星を Light Signal】

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 前回に引き続き、『この大空に! PULLTOP ジュブナイルパック』の感想になります。

  今回は、『見上げてごらん、夜空の星を Light Signal』ということで、天体に関するお話です。

 私自身、小さな頃は星が好きで星座とか、それに付随する神話の本とか図鑑を読みあさっていたこともあり、非常に楽しむことができました。一方で、大人になってからは天体というより宇宙に惹かれるようになってしまったので、天文知識が出てくるたびにノスタルジーな気分も覚えました。最近はふと夜空を見上げることが無くなったなあと思い至ったので、折りを見て名古屋市科学館プラネタリウムに行きたいと思います。

 さて、本編に足を踏み入れていきますが、みあげては雰囲気がとても好みでした。ころげての方は熱い物語だったんですが、かなりの青々しさにどこか恥ずかしさが払拭できなかったのは事実です。ころげては物語の輪郭も主張もはっきりしていたんですが、みあげては星空のような、どこか陰鬱さを秘めていながらも淡く包み込んでくれる光のような物語に感じました。特に共通部分ではそれが顕著で、じんわりと涙腺に来たシーンもいくつか。個別に入ってからはヒロインとのイチャイチャがメインになってしまいますが、共通√の雰囲気はプレシャスだったと思います。

 シナリオ以外ですと、星空のイラストが綺麗でBGMも素敵でした。それから、立体音響のボイスも新鮮でドキドキさせられました。あと、たびたび言ってるんですけど、シーンジャンプがあるゲームは本当に偉いと思います。

 続いて、キャラクターについてですが、メインヒロインのひかりはかなり好きなキャラでした。強引に突っ走るタイプのヒロインって個人的にあまり好きじゃないんですが、ひかりはちゃんとまわりを気遣える子なんですよね。白鳥さんが素で空気読めないところがあるのに対して、ひかりの場合は空気が読めるのに、あえて空気を読まなかったりするタイプだと思います。こういう真面目な子は責任感や正義感が強く、一人で溜め込んだり、自分が犠牲になればいいって思考の持ち主なので幸せになってほしいです。小学生時代に利他的に動いた結果、暁斗と沙夜との関係をバラバラにしてしまったのは、いたたまれなかったですね。そんな彼女ですが、天体への思いは人一倍強く、作中最も純粋に夜空を愛していたように思います。その混じり気のない思いが、小学生時代の暁斗を救っていて、望遠鏡で初めて月を見たシーンは一番涙腺に来ました。作中多くのキャラが登場しますが、暁斗とひかりと沙夜の三人組は安心感があって、この絡みが一番好きでした。ひかり父の谷間好き。

 沙夜もひかりとよく似ていてるけど、思いが重い。でも好き。むしろ好き。三人組の中でも、一番繋がりを大切にしていて、自由研究のノートだったり、星空のスケッチだったり、健気かわいい。ちゃんと実を結んでくれてよかったです。あんなフラれ方(実際には以下略)でも、暁斗の祖父が亡くなったときに寄り添って支えになってたのは天使じゃないですか。暁斗にとって、ひかりが恩人だとするなら、沙夜は本妻のような圧倒的ヒロイン力でした。沙夜√では、愛らしい? 面倒くささを発揮しながらも、他√では、仲を裏で取り持っていたのも評価が高いですね。唯一、全√で登場頻度が高いヒロインでもありました。そして、風戸姉妹の時にも似たようなことを書きましたが、こういった自分をあまり出さない子が、ひかりに本音をぶつけて喧嘩するシーンとかは、人間的な魅力が出ていてかなり好きだったりします。

 そして白鳥さんですが、可愛さと美しさを兼ね備えていて、個人的に一番破壊力が高かったです。カリスマ性と行動力を併せ持ちながらも、たまに抜けたところがあって親しみやすいという、まさにぼくがかんがえた最強のヒロイン。ひかりが養殖だとするなら、白鳥さんは天然もの。ひかりと沙夜√では、交際する、プロジェクトスターライトを成功させるという二大イベントがあって、どちらも成長して障壁を乗り越えていくという側面が大きかったのですが、白鳥さん、ころなはそういったストレスがほとんどなく、最初から最後までイチャイチャ感の強い√でした。白鳥さんより、吉岡さんの方が成長してますね。この二人の関係性はひかりたち三人と同じくらい好きで、白鳥さんと付き合うよりも吉岡さんとの絡みをもっと見たいと思うほどでした。卒業式の日のあれはジーンとしましたね。

 最後にころなですが、色々と不憫だったように思います。過干渉の毒○は正直、グロシーンより苦手なので、見ていて辛かったですね。ころな自身も自己評価が高くなく、親の期待も大きいのでかなりかわいそうでした。だからこそ、自分がこうありたいという理想を勝手に沙夜に押しつけ、自分への苛立ちを転嫁させていたように思います。沙夜はアルビレオであってリゲルではない、沙夜を少しだけ理解してからの二人の関係性も好きでした。関係性が好き好き何回も言ってますけども、もともと沙夜とは相性よさそうに思っていたので、仲良くなれてよかったです。こういうときって、感情の行き場を失ってしまう子が多いと思いますが、そこがころなの理知的で素敵な面だと感じました。親との確執で一番キツい√になりそうだと予想してましたが、特にそういうこともなく、よかったと思う反面、物足りなさを覚えてしまう√でした。白鳥さん√が長かったからかもしれませんが、正直、数合わせっぽく感じてしまい少し残念でした。

 ヒロインではありませんが、むつらぼしの会もみんないい人たちで、暁斗も色んな人たちに支えられながら進んでいくのもよかったです。田尻さんとか、普通にイケメンすぎませんか。そして、森田さん初登場シーンでは、おや? と思いましたが、まともな大人でよかったです。飛岡たちとは違い、あれが大人としてあるべき姿だと思います。

 熱量と勢いでいえば、ころげての方が上だったと思いますが、個人的にはみあげての方が好きでしたし、心に響きました。どちらも優しく、忘れていた感情を呼び起こしてくれるような素晴らしいゲームでした。まだ残り2作品あるので、楽しんでいこうとお思います。

 それにしても、今年プレイしたゲームの偶然の銀河鉄道の夜ラッシュはなんなんだ・・・・・・。