【Steam】ゲームプレイ日記 #5【徒花異譚】
今回は徒花異譚の感想です。
一言で言ってしまえば、徹頭徹尾美しい物語でした。ストーリーはもちろん、イラストに文章、音楽はすべて上質で、それでいてすべてが調和し、綺麗な雰囲気を演出していたと思います。シナリオ担当はシンソウノイズ、バタフライシーカーでおなじみの海原望さんで、さすがと言わざるをえない出来でした。読んでいて心地よい文章はゲームの世界にのめり込ませてくれました。記憶喪失の少女が筆を操る少年とともに絵草紙の世界を渡り歩き、話の歪みを正していく、というストーリーはまさに、私の好みど真ん中でしたね。
体験版では、最初の花さかじいさんまでプレイできますが、この時点では面白いし雰囲気も最高、しかし正直なところ少し物足りないな、という感想を抱きました。せっかくの良い場面なのに、パーティクル出力の花びらが気になってしまったり。ですが、いざ製品版を購入してプレイをしたところ、いい意味で裏切られました。
特にうりこ姫のストーリーがお気に入りで、目頭が熱くなることも……。うりこ姫かわいい。うりこ姫と言うと、幼少期に読んだ絵本がトラウマで、挿絵の天邪鬼が怖くて二度と読むかこんなもん、とか思ってた記憶がありますね。それはさておき、うりこ姫って昔話の中では、そこまでメジャーでないといいますか、有名ではあるものの、こうしてゲームに採用するならもっと、有名な話があるんじゃないの、とかプレイ中は思ってましたが、クリアしてみると、完璧な采配としか言えないですね。それぞれの絵草紙の案内人が胸に秘めた望み、徒花荒らしがもたらす話の歪み、それぞれにしっかり意味があるのもよかったです。チェーホフの銃という言葉がぴったりなほど、洗練された物語だったと思います。それゆえ、クリア時間が5時間程度でも、非常に満足感を得ることができました。
OPを初めて見たときは花さかじいさん邪悪すぎぃ！ とか思ってましたが、不覚にもあんなところで感動させられるとは……。
ATRIと一緒にセール期間に購入したので単体では1511円とお手頃価格でありながら、記憶をなくしてもう一度プレイしたいと思うほどでした。なんて。ATRIの方も、サマポケクリア後にプレイしたいと思ってます。
それと、昨日、徒花異譚のサントラの発売が決定したようで、限定版にはゲーム本編ディスクと資料集が付いてくるらしい。マストバイ！
